この記事は、広島県カイロプラクティック協同組合理事長の時代にお世話になっていた広島県中小企業団体中央会が発行する「中小企業ひろしま」という会報の平成24年1月号に掲載させていただいたコラムの原稿です。
注)原稿では省いたまとめを、本文最後に記述しています。

やっと寒くなりました。実家のある豊栄にかえる途中、山をみると紅葉がすばらしい。えっと、もう12月上旬なんですが。なんておもいながらラジオを聴いていると、広島地方気象台はじまって以来130年間でもっとも気温が高かった11月だったそうですね。

こんにちは、WHO国際基準準拠カイロプラクターの吉野です。

前回の終わりに、「骨盤ベルトのウソホント」ということで、予告をしていましたが、今回は、そのおはなしです。

骨盤ベルトにもいろいろありますね。それこそ、コルセットと勘違いされているかたもいらっしゃいますし、妊婦さんなら一般的なトコちゃんベルトや、生ゴムでできている一重の骨盤ベルト。自転車のチューブを切って洗ったものから2重3重に締めることができるベルトまで。

それこそ、たくさんの種類がありますが、つまるところ、目的は一つ。骨盤ベルトの位置

骨盤を締めよう。というもの。では、どこを?

答えは、仙腸関節。骨盤を構成する3つの骨の真ん中と左右をつなぐ関節ですね。

仙腸関節は、複雑な関節面を持っています。一応、板を合わせてスリスリと動かす平面関節の一つですが、その面がでこぼこしていて動きにくくなっています。このでこぼこしている面を、さらにベルトでしっかり固定しましょう。というもの。

関節には、遊び分があります。関節面を締めることで、その遊び分がすくなくなり、それだけ不安定な状態を減らすことができます。

土台が安定すれば、よりしっかり踏ん張れる。出せる余分が、骨盤の負担を軽減して、腰への負担を減らすことができるんです。

具体的な位置としては、お尻のえくぼのところ。ベルトをあてるときの目安は、横に張り出した骨盤の骨から手のひらの幅分(約10cm)下が適切な位置になります。

トコちゃんベルトは、そこから更に5cm程度下に指導されているようですが、カイロプラクティックの目から見ると、やはり仙腸関節の位置かなと。とはいえ、特に問題も出ず、胎児への圧迫もされず、それなりに成果を出しているようなので、大きく位置がずれているというものでも無さそうです。

市場には、タイヤチューブのようなゴムベルトではなく、幅広のベルトも数多く出回っています。それを使えば、位置が少々ずれても問題ないでしょう。

さて、このベルト、確かに骨盤の歪みを補正する効果があります。が、足を肩幅に広げて、骨盤を回しましょう。と指導されている運動は確かに良いんです。しかし、実は家事などで、部屋を歩き回ったりしても、同じような効果があります。つまりは骨盤を締めてどんな動きでも動かしてしまえば効果がある。ということ。わざわざ体操しなくても良いというのは、面倒がなくて良いですよね。もちろん、一番効果を出そうと思えば、骨盤ベルトを締めてうつぶせになり、他の人から、骨盤を揺すってもらうのがベスト。ご家庭で、ご夫婦で、お試しください。

ただ、楽だからと言って、長時間装着することは避けて下さい。気分が悪くなったりしますからね。

ところで、一部にこのベルトの違う使い方を紹介している場合があります。

それは、足などにしっかり巻き付けたあと、急いでゴムを外せば、血流が急激に戻って老廃物などを洗い流してくれる。というもの。

しかし、これは危険です。

血流を止めることで、血液の状態によっては血餅(いわゆる血栓)が出来やすい場合があります。それが急激に流れて心臓まで行き、肺に入ったら肺塞栓、脳なら脳梗塞…。エコノミー症候群と同じ事が起きる可能性があるんです。

足がむくんだら、10~20分程度足を壁に立てかけていた方がよっぽどスッキリします。けっして血流を止めることはしないでくださいね。

まとめ

  • 幅の広いベルトなら、少々ずれても大丈夫
  • 家事などで動けば、骨盤を回す必要も無し
  • 効果を上げるなら、俯せで骨盤を揺すってもらう

やってはいけないこと

  • チューブ状のベルトで、下肢などに巻き付けて血行を止めること(ダメ!絶対!)

吉野俊司プロフィール
身も心もスッキリ!うるさいほどの説明に安心を添えるカイロ健康アドバイザー
広島県カイロプラクティック協同組合 前代表理事
一般社団法人全日本カイロプラクティック学会 広報担当
カイロプラクティックセンター広島(広島市東区愛宕町8-40)院長(https://imchiro.hiroshimas.in/)
平成3年にカイロプラクティックを修得。その後平成7年3月に現在の場所に開院。
平成19年3月、オーストラリア公立マードック大学健康科学部カイロプラクティック学科BHSc(Chiro)コースを卒業し、国際基準の教育を修めています。
今年2月で、カイロプラクティックを始めて20年。いろいろな活動を通じて、カイロプラクティックの啓蒙活動を積極的に行っています。
イベントにも、積極的に参加しています。
家族構成は、妻と中学生の男の子で、賑やかに暮らしています。