腰痛

先日、ぎっくり腰になった。という方がいらっしゃったので、その時に説明した内容を書いてみます。

まとめると6つの内容になります

  1. ぎっくり腰は、できるだけ痛くない姿勢でご来院。
  2. 矯正は、まず最初に姿勢のゆがみをとることで、ぎっくり腰の箇所に負担をかけない施術ができる。
  3. 矯正して身体の動きが楽になっても痛みは残ります。(炎症は消せないですからね)
  4. 痛みは、消さない方が身体を守ることができる。
  5. 身体の動きは楽な状態のまま3~5日程度我慢をしましょうね。
  6. できれば、その3~5日の間に、経過観察としてご来院ください。

痛みは新たに作らない

先日、20代女性の方(Aさん)から、お電話でお問い合せがありました。
Aさん「ぎっくり腰なんですが…」
私「前に屈んで痛みが楽になるなら、できるだけその姿勢でご来院ください。」

いろんなタイプのぎっくり腰があります。そのなかで典型的なものを想定してご来院までのアドバイスをしています。

腰の骨の関節(腰椎椎間関節)は屈んだり背中を反らしたりする時に動きます。身体をひねった状態で前屈や背中を反らそうとしたら動きにくいはず。

引き出し例えるなら、タンスの引き出しを押し込むときに斜めになったら、閉まりきらずに途中で止まるようなもの。前に屈んだ状態から体を起こすときにぎっくり腰になったのなら、閉まりきらないタンスの引き出しと一緒です。
でも、押し込むときには途中で止まるけれど、そこから引き出しを引き出すのは大丈夫ですよね。

これを腰に当てはめると、身体を伸ばすたびに関節が引っかかり、そのたびに痛みが出る。痛みが出るたびに新たな炎症を作っている。と言えます。

逆に言えば、背筋を曲げていれば痛くない。=新たな炎症も出来なくなる。つまりは回復がそれだけ早くなる。ということ。

「でも1週間も寝ていたら治ったけれど?」

よく言われるお話ですね。動くたびに炎症ができてはいても、時間がたつと次第に痛みは消えていきます。確かに。
しかし、当初は痛みの箇所を指でさせていたはずなのに、次第にどこが痛みの中心か判らなくなる。
いわゆる痛みがぼやけていく。状態になります。これは、痛みに慣れてしまうこと。

ぎっくり腰は、放置していても治るものではありません。逆に痛みが無くなることで治ったつもりになり、骨の歪みはさらにひどくなっている場合が多いようです。

施術に入る前の説明

痛みが強い状態だから検査を長引かせても辛いだけなので、最低限の検査をして状態を把握。お身体の状態を説明して了解を得てさぁ施術。ですが、その前にどんな施術をおこなうかの説明をしています。

まず、ぎっくり腰で痛みが出ているということは、姿勢のあちらこちらにゆがみが出ています。痛いところは腰の部分だけれど、最初から痛いところを矯正すれば炎症がもっと強くなる可能性があります。そのために、まずは身体全体のゆがみを取るところから始めます。

身体のゆがみがとれれば、姿勢もまっすぐになろうとするから、ぎっくり腰のところもまっすぐになろうとします。そうなれば、あえて強い矯正をしなくても軽く”ぽん”と矯正するだけで済むことが多いんですね。

質問がありました

Aさん「痛くないですか?」
私「関節を動かすときには鳴ってしまうことがあり、その音を怖がる方は多いですが、指を引っ張っても、普段体を動かしているときでも鳴ってしまうくらいだから音に関しては、怖がらないでね。
動かなくなっている関節を触るときには痛みを感じるかもしれないけれど、本来動く方向に矯正するだけだから、矯正するときには痛みを感じることはまずありませんよ。
ただ、この矯正方法は痛みが出る可能性がある。という場合は、あらかじめ説明しますから、安心してね。」

とはいえ、ぎっくり腰を抱えたまま矯正のための体勢変更はぎっくり腰に負担を与えますから、ゆっくりゆっくり動いていただいてます。

矯正しても痛みは残ります

どうして痛みが残るのかというと、先に書いた「背筋を伸ばすときに関節が引っかかり、そのたびに炎症を作っている。」と書きましたが、その炎症は取っていないからです。

しかし、関節が動き始めた(=タンスの引き出しを閉めることができた)ことによって新たな炎症はできなくなっています。

身体を動かすことも相当楽になっています。

そうなれば、あとはその炎症が治まるまで待っていればいい。痛み止めのお薬を使ってもいいですが、お勧めはその痛みを楽になるまで感じておいてもらうこと。

ぎっくり腰が楽になっても、傷んだ組織はそのまま残っています。痛みを消してしまうと傷んだ組織を守れなくなるので、痛みをしっかり感じて傷んでいるところを守っていただきたいんです。

でも、およそ3~5日程度で痛みはなくなりますから、ご安心を。(*^ー゚)b

ただ、炎症は機能障害も伴います。つまり関節が再び止まってしまう可能性があります。なので、痛みの残る3~5日の間に経過観察としてご来院いただきたいものです。

アドバイスもしました。日常で気をつけること。エクササイズの方法。あと、基本的な歪みに対する対処法。すべて具体的にね。(*^ー゚)b

遠方から来られていたということで、地元でのカイロプラクティックを探す目安もアドバイス。でも、これはまた別の機会に書きましょうね。

おさらい

ということで、あらためておさらいです。

  1. ぎっくり腰は、できるだけ痛くない姿勢でご来院。
  2. 矯正は、まず最初に姿勢のゆがみをとることで、ぎっくり腰の箇所に負担をかけない施術ができる。
  3. 矯正して身体の動きが楽になっても痛みは残ります。(炎症は消せないですからね)
  4. 痛みは、消さない方が身体を守ることができる。
  5. 身体の動きは楽な状態のまま3~5日程度我慢をしましょうね。
  6. できれば、その3~5日の間に、経過観察としてご来院ください。

いかがでしたでしょうか。
ちなみに、動けないほど痛い時には、むしろ3~4日様子を見て、ある程度痛みが少なくなってから施術をする方が良いですよ。

次にぎっくり腰になったとき、何かのご参考になれば幸いです。m(_,_)m

P.S.
ちなみにそのAさん、精算の際、「初回施術料として7000円いただきます。」と請求させていただいたら、「安いっ!」って。
いろんなところに治療や施術を受けに行っている方ほど金額自体もそうですが、費用対効果としてとても安価に感じていただけるようです。